日本酒 酒徒礼讃 秋田県にかほ市 飛良泉 山廃純米 マルヒ 12、15、24・・「重い酒」華やいだ面があっても・・

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飛良泉 山廃純米 No.12 15 24。〇に飛を入れ込んだラベルは印象的だ。この酒の遊びの無い(引き締めすぎた)味をよく表している。

飛良泉・山廃純米 No.12、15、24。3種、同一の味の傾向だと思う。12,15は酸味と旨味がほぐれず若い酒との印象。24が日本酒として味が完成されていると思う。12は口に含んでも酸味がすぐに出ず、出てくると酸っぱい。旨味は飲み終わってもほぼ湧き出てこない。15は、すぐに酸味が噴出、立体的な熟柿(じゅくし)的な酸味が好ましい。どちらも酸味は強烈だが、口中で広がらず、味が奥へ奥へと突き進み、窮屈だ。

24は、口にした瞬間から爽やかな酸味。その後、軽い旨味と酸味が交互に現れ、喉に流し込んだ時、旨味が最高潮に。後味は酸味。酸味、旨味とも硬質(ふわふわしたところがない)で、調和せず、各自が独立してる。陰影感に富みコントラストが高い。一方で、口中全体で味わうというより、舌で味わっている印象。口の中でパッと広がる「花咲く高揚感」はない。そのためか、喉の奥へ奥へと、酒徒の心の奥へ奥へと味が突き進む。人は、スマホを見るとき「うつむいて」しまうが、この酒を飲むとき「俯いて」しまう。

美味い酒。だが、華やいだ面があってもいい。3種とも飲んでて、心の奥底を覗き見る、迷い込むような「重い酒」だ。できれば、1.500円を切る価格が望ましい。心にも財布にも負担をかけないでほしいのは酒徒の切なる願い。

秋田県にかほ市平沢字中町59 ㈱飛良泉本舗

山廃純米 マルヒ 〇に飛 No,12、15、24 各1.620円