オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ C-3850・・突然、「歌う」。

アキュフェーズ C-3850。定価180万円ほど。ボリューム・ノブはダミー。高剛性のアルミブロックの中にボリュームセンサーとモーターが入っている。リモコン操作可能、便利だが、指先で0に絞った時の質感は…イマイチ。

オーディオ機器に求められる性能。それは、広帯域、高SN比、高解像度、優れた高域特性、中間帯域の密度、緩みなく、ハイ・スピードな低域表現。

店主が、C-3850の魅力を語る。

「下位機種からC-2850までは、段階的に技術点(オーディオ的性能)が上がっていきます。C-3850になると突然、歌う。響き、深み、色合いといった芸術点がつきます。(性能が)二段階アップしたかのよう。出力回路が強力なので低域が厚く伸びのあるいい低音(を再生)。SN比にくもり感がないため、音の出だしの気配が感じられるし、消えてゆく楽音、エコー、ホール・トーンが(小さくなりつつ)最後まで伸びる。あとは、フレーズがなめらかで、抑揚がある。(演奏者の)身振り手振りがよく見える」。

来年あたり次のモデルが出されるだろう。

四月のアキュフェーズ試聴会時、同社 第二技術部 回路一課 田尾係長に訊ねた。

「C-290Vは、ボリュー・ノブを絞って0になると”コッ”とズシリとした金属音が聴こえます。指先にも密度の高い金属がぶつかる重量感のある手ごたえを感じます。その指先に伝わる感触が素晴らしいのですよ」「ええ、そうみたいですね」と田尾係長。「次にでる最高機種のプリ・アンプにその手ごたえをつけたらどうですか?」。田尾係長、ニヤリとして「その予定は今のところありません」。

背後で「あの感覚は、是非、必要だと思います」と店主がポツリとつぶやく。