オーディオ・ベースマン 見たり聴いたり アキュフェーズ C-290V その① 永久に・・。  

dsc_0223C-3850と再生比べ。いやはや、なんとも、まさか私(C-290V)がこのような日の当たる場所にまた出てこられるとは。人生、なにが起こるかわからないものです。勘違いなさらないでください。今の所有者のリスリングルームがいやだという訳ではありません。気分の問題です。

オーディオ評論家の福田雅光さん、石田善之さんがいまだ、所有していることを知りました。それを知った時は、「欣喜雀躍」しました。私、アンプという機械ですが・・。

右奥の銀ピカのLPプレーヤーがアコーステック・ソリッド・マシンーン・スモール。で、その下が、フォノイコライザーのC-37です。C-37の下のプリアンプが私です。アキュフェーズのデザインは不変なので(未来永劫そうであると私は信じています)違和感はないですね。懐かしいことに、パイオニアのエクスクルーシブP3も居ました。右の800Dの背後でみえませんがね。C-3850は、左奥、LPプレーヤのソリッド・ウッド MPXの下です。

ソリッド・マシーンとC-37から情報を受け取り、私がドライブするのは、A-200とB&W800Dであります。・・・感無量です。プリアンプ冥利に尽きるとはこのことです。

残念ながら、SN比、解像度、帯域の広さやその質感と量感、音の立ち上がり、混濁の有無、陰影に富むコントラストの高い表現・・・・などなど、各特性は、C-3850に及ぶものではありません。C-3850より優れている点を敢えて申し上げます。エクスクルーシブ・P3同様に、セピア色(薄い茶色)掛かったかのような過去の記憶を蘇らせる音色でしょうか。アナログ的な音と表現としておきます。音楽にひたれる音です。

「愚痴」と聞き流してほしいのですが、C-3850は、音が明る過ぎます。「チャラ男」です。今回、再生比べでよくわかりました。店主が指摘しておりました。今のアキュフェーズの傾向です。「A-200のように少しほの暗さを漂わせてもよいのでは」と店主も申しておりました。

私のウィーン・コンツェルトハウスのハイドンは、C-3850にはどう聴こえたでしょうか?。明快なC-3850と違い、優雅で艶やかな風情を持ち、落日のハプスブルク帝国の首都ウィーンの哀愁を秘めた音色だったと思います。(曲は、ウエストミンスター盤・WL 5352 弦楽四重奏曲第75番 ト長調 OP.76-1 Hob.Ⅲ-75です)そして、久保田早紀さんのファーストアルバムの「夢がたり」のB面(懐かしい響き)の「白夜」。いやー、久保田さん、やや中性的で憂いを漂わせる素敵な声です。C-3850だと久保田さんの声の冷たさが強調されるような気がします。このファーストアルバムは、各楽器のアレンジも音も良かったのですね。今回、改めて認識しました。もちろん、音楽も最高です。ポップスの音質なんて、昔は、気にしませんでしたけど。私も含め若い頃は、みんなそんなもんです。

若いの(C-3850)の琴線に触れるものがあれば、私としては満足です。

もう一つ、うれしいことがありました。私の所有者は、二代目です。C-3850に比較しても、私の音色には満足されました。中、低域に程よい力感があり、矛盾しているようですが、全域に渡りフラットだと思われているようです。その点も気に入っているようです。ご褒美にオーバーホールしてくださるとの事。店主が、アキュフェーズ・品質保証部に連絡してくださいました。「オーバーホールでもう少し音がクリアにならないか」と店主。アキュフェーズからは、「2011年に前所有者がオーバーホールに出してます。その時点で、老朽化したリレーを交換、ボリュームのリレーも同時に交換しています。そのリレー部品は、耐久能力が非常に高く、劣化はまず、起きません。そのプリは、低発熱です。温度が上がらないので永久に使用できます」との返事。店主の問い合わせに待ち時間がなくスラスラと回答してくれました。機種と型番を伝えただけでこの対応スピード。そして、永久に使用できると断言して頂きました。

社員の間でうまく、情報が共有できていますね。

私、幸せです。素晴らしいメーカーに造ってもらいました。

実家では、長年来の相棒のパワーアンプ・アキュフェーズのA-50V(生産終了)とトライオードのプリメインアンプ(パワーアンプとしても使用)・TRV-A300SE(同)、同CDプレーヤー・TRV-CD4SE(同)、音やのマジック・ボックスとともに奮戦、ブロッドマンVC1とKEF・LS50の二つのスピーカーを十全にドライブして、今の所有者を楽しませております。

そのうちに実家での奮闘ぶりもお伝えしたいと思っております。

追記 私が永久に使用可能ということは、C-3850も同様だと思います。ということは、200万のプリアンプですが、一生使うとなれば、それほど、高価ものでもなくなるような気がいたします・・・。あぁ、これは、単なる「たわごと」です。

2018年 12/13 追加

C-290V。ボリュームをゼロにすると「コツッ」と鈍い音が。指先には「コン」とした金属的な手ごたえが。店主曰く「この感覚、最高ですよ」。音量リモコン操作の他社のアンプ、アキュフェーズ自慢の「AAVA方式ボリュームコントロール」でも味わえない。唯一無二の感覚。ボリュームを落とした瞬間が、音楽の終了・・。フフッ。C-290V所有者のみが体感する「最後の儀式」!。最近、痛切に感じる。