オーディオ・ベースマン見たり聴いたり パラダイム プレミア 700F その②・・「寡黙さ」がウリ。 

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり パラダイム プレミア 700F その②・・「寡黙さ」がウリ。 

「(音質に)あざとさがない。フラットな音質」とは店主。前回、ジャズ、フュージョン系の再生は、良かったが、クラシックの楽器の音色が今一つの印象。今回改めて聴くと、ソナス、B&Wに比べ、モノトーンの大人しい音質のため、そのように聴こえたようだ。

前面のバッフルがプラスチック。その音が再生時に影響しているかもしれない。

「あざとい」とは、①どぎつい、押しが強い、②小利口だ…という意味。声楽、弦楽、オーケストラの分野で試聴。声楽…声の質は硬いが、音の輪郭がしっかりしている。色気、溌剌(はつらつ)さはないが、ピアノ伴奏を含め、ソプラノ感を抑えた、控え目な歌唱。弦楽…中間帯域、良好な解像力でボケ、歪みが少なく、明快。モノトーン色が強く、響きが弱いが、「おっ、いい響き」と思える瞬間がある。オーケストラ…楽器の数が増えると、中央に固まる感じだが、音場は自然に展開される。シンバル、ヴァイオリンの高域は抑えられ、ヴィオラの中間帯域は、もう少し、色、艶が欲しい。コントラバス、グランカッサ(大太鼓)の低域は、末広がり。程よい締まり具合と分解力。誇張表現がなく、オーケストラは聴きやすい。やはり、印象は、「 寡黙なスピーカー(SP)」。 試しに、フュージョンを聴くと、電子楽器の厚み、奥行き、左右へ広げる音場が魅力。音に深みが感じられるところが面白い。

そして、ソナス・ルミナⅢに代えると、豪華絢爛(ごうかけんらん)、才気煥発(さいきかんぱつ)、高歌放吟(こうかほうぎん)な音。お腹が一杯になる。 雄弁なSPだ。

寡黙か雄弁か。「どちらを選ぶのか」と問われたら、僕は、「寡黙なSP」と答える。