オーディオ・ベースマン見たり聴いたり パラダイム プレミア 700F その①・・簡素に判りやすく。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり パラダイム プレミア 700F その①・・簡素に判りやすく。

パラダイム プレミア 700F。25万円ほど。明るくもなく暗くもない音質。B&W、ソナスといった人気スピーカーが、強力な高域(ツィーター)能力で、音の輪郭を、「明るく」構築するのとは、正反対。高域を強調せず、自然体の音質。25万の価格。トールボーイ、ブックシェルフ型ともに最強激戦価格帯。プレミアム 700Fのその地味で滋味(じみ)な味わい。ネームバリューと音質から、ちょっと、不利な状況だけどね…。

筐体(きょうたい)、ボディのことね。写真で見ると、青みかかっているが、本来は、マッシブな黒。撮影失敗。

「ツィーター(の能力)を強調しない(ため)、Hi-Fiを追求していない(そこに魅力を感じる)」と店主。低歪みの高解像度基調。だが、硬質感はない。帯域表現は、高域を欲張らず、低域をやや末広がりに。高域にキャラクター(個性)を備えていないが、解像度の高い性能から、中高域から下のコントラストは高い。また、ダンピングを利かせた低域ではないため、意図的なエネルギー、密度は感じられない。歪みも少なく、混濁(にごり)もない。SN比は良好。音の立ち上がり、スピード感も十分。これといった特長を持たせない、聴かせない、「簡素に判りやすく」音を分離している。また、筐体の素材のためか、余計な響きが、抑制されている。ある意味、必要最小限の音だけを聴かせる。意図的な音作りを感じない良さがある。

この中庸すぎる音をいかに評価するか。ジャズ、打楽器では、良好なパフォーマンスを聴かせてくれた。が、クラシックでは、金管、木製楽器の質感に問題があった。

二階には、B&W、ソナス、ダイヤトーン、ロジャースといった性格に違いがあるスピーカーがある。音質が、「明るい、中庸、仄暗い」と様々。聴き比べるのは大変、楽しいこととなるに違いない。