オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ A-48 その④・・A-75も併せ、楽器と比べると…。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ A-48 その④・・A-75も併せ、楽器と比べると…。

アキュフェーズ・A-48、A-75。楽器との比較。試聴に使ったアキュフェーズのシステムチェックCD5の第一曲目。奇しくも、同日の夕べ、その曲を県民会館、「東京ブラス・ソロイスツ」(金管五重奏)の実演で聴くことができた。その聴こえ方の違い。視覚的な例えでいうと、アンプが、「大型船舶を係留する極太のロープ」と聴こえ、実際の楽器が、「手編みのセーター」と聴こえる。「(八打ち)ロープ」は、編み目が、固く締まり切り「キリキリ」とした「身動きの取れない窮屈感」。「毛糸」は、繊細に、複雑に編み込まれた「空気をたっぷりと含んだゆったり感」といった感じ。

アキュフェーズのCD5。第一曲目は、ジョン・ウィリアムズの「オリンピックのファンファーレとテーマ」。

実際の楽器と比べ、それでは、A-48。金管の持つ音の「色、艶、張り」は出ている印象。「スピード」も「可」といったところか?。高域は、トランペットの音の伸びが落ちる。中間帯域は、トロンボーンのふくらみ、ホルンの浸透するような響きは「可」。トロンボーンの「厚み」、ホルンの「持続する残響音」はイマイチ。低域、チューバの量。音のデカさ、音量はでない。また、天から降り注ぐような音の聴こえ方もない。また、全体的に音が、痩せ、真ん中に集まる。セパレーション、解像度、分解力といったオーディオ的要素が不足。これが、A-75というと、 ダンピング力が優秀すぎて 「色、艶、張り」が 、A-48より 人為的に聴こえる。金管の持つ音色の「明るさ、鮮烈さ」は、実演と同じ感じで、楽器の音の出だし、タイミングは、A-48より揃っている 。低域表現も、A-48に比して格段の差をつけるが、チューバの量は、やはり足りない感じ。楽器の持つ音の「体積、容積」がうまく、再現できない。両アンプとも「音の痩せた」感じは否めない。ここが、最大の違いだと思う。

こうした、聴き方もオーディオの楽しみかと思っています。

岩手県民会館・中ホールで11月4日に行われた「東京ブラス・ソロイツ」。メンバーは、オッタビアーノ・クリストーファリ(トランペット)、長谷川智之(同)、福川信陽(のぶあき)(ホルン)、古賀光(トロンボーン)、次田心平(チューバ)。皆さん、半年ぶりのコンサートということで、初めは緊張しており、トーク、演奏が硬い感じでした。また、よほど、観衆の前で演奏するのが『楽しい、嬉しい』と見え、トークが長かった。休息を挟んだ第二幕目、緊張が取れた司会役の福川さんが、「すいません。前半、しゃべりすぎたので、時間が押しています。後半は、早口で話しますね」と言っておられましたが、目いっぱい、曲の解説をしておりました。やはり、演奏者は、生演奏が、最大の見せ場です。演奏者も観客も喜んでおりました。