オーディオ・ベースマン見たり聴いたり SMEトーンアームの魅力とは。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり SMEトーンアームの魅力とは。

ベースマンのお客様にEMT 930 stを所有の方がいます。その方のアームはEMTの純粋アーム。おそらく、ベースマンに持ち込まれた930のアームは、SME。取り付けが芳しくなく、ちょいとガタつきがあり、ヘッドシェルの固定もイマイチ不安定。その方、ベースマンに件(くだん)のEMTを聴きに。見た時は、「まあ、こんなものですか」といった風情だったという。ターンテーブルにレコードを置き、試聴。その瞬間、「うちより、音がいい」と一言。使っているスピーカーなどシステムに違いがあるが、そのような感想を漏らしたという。

以前、聴いた『トーレンスとSMEアーム』の組み合わせ。

トーンアームで音質が左右されるのは頭が痛い問題。かといって、そうそう、とっかえひっかえ各メーカーの製品を比較試聴はできない。条件を一定にできないが、試聴会やら、オーディオショウで聴いた感じで判断する以外ない。多くのアームを聴いたわけではないが、SMEアームには魅力がある。その魅力とは、どんなものだろうか?。以前、聴いたSMEストレートアームの印象で言えば、オーディオ的各要素で言えば、「A’」といったところか。くもり、くすみのない澄み切って透明なSN比、繊細に伸び切りキレのある倍音を失わない高域表現、低域から高域まで明確に音を分離する解像力、締まり切って緩みの無い低域、音場を拡大し、立体的な音像を構築するエネルギー、各帯域の音のスピードを一律に揃える、などなどの要素で「特A」を獲得できることはないと思う。それでも魅力があるというのは、各オーディオ的要素で「バランス」が取れているということに尽きるのかもしれない。

帯域全体の「軽快で永続性のある」倍音表現が好みなので、機会があれば、じっくり最新のSMEアームを聴いてみたい。