オーディオ・ベースマン 見たり聴いたり アキュフェーズ DP-560試聴(700と比較)SA-CDの復権

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ラック上段がDP-700(生産終了)。手前がDP-560。比較試聴した。
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SA-CDとCDを聴き比べるとその差は歴然!。

ーDP-410、550との違いはどの辺にあります?ー                「(全体的に)音楽表現が強化されてます。(再現)空間は広大になり、奥行きが拡大、隅から隅まで光があたり、(再生される音楽に)実体があります。目指したのはDP-950です。」

ーそうですか、(その説明を受けて音を聴くと)950の方向性と同じなのは納得がいきます。その方向性は成功していますねー

DP-560で二、三曲ほどSA-CDを聴いた。その後の店主とアキュフェーズ営業担当者との会話。

ーDP-410,550は音の輪郭がぼやけてました。DP-700と聴き比べると(金額以上に)差がありすぎたのですが、560はそんなことはないですね(店主、非常に気に入った様子)ー      「(560に比べ)奥行きがなく、空間もない、音を塊として前に出していた感じでした」と明確な返事。

DP-700と比較試聴した。B&W802Dは低音表現が今一歩という状態での試聴。DP-560は、工場から出てきたばかりの初号機。エージングがまだ済んでいない状態だった。SA-CDを試聴に使用。

SA-CDの音はやはりいい!。今まさに、演奏されている音といった感じ。DP-560のSA-CD再生でSA-CDの可能性、存在感は上がったのではないだろうか。

S/N比、帯域の広さはほとんど変わらない印象。しかし、560は、中高域の音の輪郭を正確に鋭く抉り、その立ち上がりは早く、立体的で彫りが深い。混濁、くもりといったものは一切、感じられない。試聴した弦楽四重奏の各楽器の生々し過ぎる音には唖然とした。高域は、少々、きつ過ぎる感もなくもないが、中高域は、700より解像度は高いのではないだろうか?。低音は、試聴環境の影響もあり、万全ではなかったが、適度に制動が効いている様子。

ネットで見つけた「精巧なサイボーグ」「2Hで書かれた細密画」との比喩がピッタリ。但し、頭に「人が造った(描いた)」という形容が付く。

このままでは、DP-700が可哀そう。でも、全域に渡り安定して密度があり、滑らかなで、倍音の響きが長い音色は700が上。その安定感は560にはない。DP-560は、DP-950ありきの製品なのだから、DP-950との比較するのが最善ではなかろうか?。

ちなみに、DG-58のD/Aコンバーターに繋いで、再生した時、「700の滑らかで明るい余韻のある音に比べ、560は、高解像度ながら、滑らかさに欠け、沈んだ音がする」と営業担当者が気にしてました。ただ、DG-58のバージョンが古いので合わないのでは、との感想。

時間は短かったが、充実した試聴(店主、営業担当者、僕の3人のみ)でした。アキュフェーズの製品開発のあれこれを尋ねてみました。その中で、営業担当者は、「アキュフェーズのリファレンススピーカーは、今後、B&W800D3になる予定です。その際、これまでとは違ったものが(音楽が)見えてくる(聴こえてくる)と思います」と今後の製品開発への自信を窺わせた。

他社の優れた製品にアキュフェーズの機器を繋ぎ、再生する。その時、再生される音に新たな音作りの方向性見出す。それを相乗効果として、継続的な改善で客の要求を満たす(保証する)。営業担当者の話を聞いていると、新製品が出るたびに、進化(深化)を遂げるアキュフェーズの秘密はこの辺にあると感じた。

試聴機 C-3850 A-200 PS-1200V PS-520 DG-58 B&W802D

試聴ディスク アキュフェーズSpcial Sound Selection 3のSA-CDから6曲目と7曲目