オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ブラザース・フォア・・40年前のCDとは思えないリアリティに愕然!。 

ブラザース・フォア  青春を歌う CBS/SONY 35DP 49。1983年発売。オーディオ評論家の福田雅光さんが取り上げるCD、レコード盤は、音質が良いのは言うまでもないが、音楽的感銘度が高い。一枚のアルバムを聴き終わると、思わず「拍手」をしてしまう。

このCDを聴くと、ブラザース・フォアの歌を聴くと、「あぁ、あのアメリカにこんないい音楽があったんだなぁ」と思わざるを得ない。心が休まる。

心休まる音楽だが、冷静に聴くと、トリッキーでミステリアスな録音が面白い。左のスピーカー(SP)から二人、右のSPからも二人。SPをマイクに見立て歌っているように、そこから、四人の歌声が聴こえる。そして、楽器が二本のスピーカー間に並ぶ。CDジャケットの写真で見ると、四人が弾き語りしている。が、オーディオ・システムで聴くと、人と楽器が完全に離れている。あり得ないシチュエーション、極めて人工的、作為的な録音。その表現が、演出が効果的なのかどうか?。SPから発せられる音が鑑賞者の方に、前に前へと説得力を持ち、聴くものに語りかける。「録音芸術、ここに極まる」の感あり。素晴らしい。

オーディオ的な表現としては、四人のボーカリスト、各人の声質が聴きとれる高い解像度と繊細さ。音程が歪まずコントラストの高い中間帯域。輪郭がハッキリした立体的な四人の音像。「今、まさに自宅のリスリングルームに四人が登場した」かのような抜群のリアリティ。40年という年月を経たCDとは思えない音質に驚かされる。

サクソフォーン・カルテット・アテナ、神田佳子さんも「ステレオ誌」の福田さんの推薦盤でした。福田さん、普段、聴くことのできない、知ることのない演奏家、楽器、音楽を取り上げ、教えてくれます。音楽の、オーディオの見聞を広げることができます。大変、助かっております。