オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ E-800 その①・・ハッキリ、クッキリと新鮮です。

アキュフェーズ 純A級ステレオ・プリメインアンプ E-800 定価98万円。同社50周年記念モデル第一弾。セパレートアンプなみの性能を追求。重量36㎏。あれ、プリアンプのC-2150が16.9㎏、パワーアンプのA-36が22.8㎏で合計39.7㎏。4キロほどしか変わらないのね。

厳しい比較です。今、ベースマンに常設してあるセパレートアンプはC-3850とA-70。その音を念頭に置いた印象です。比較に使ったCDは、「神田佳子 打楽器アンサンブル作品集 かえるのうた」(Bon-Kan Media Works BKMW-0104  2014年発売)。聴きどころは、「打楽器の音の立ち上がりの速さ、各太鼓の音が混濁しない、歪まない事、繊細さ、エネルギー感など」です。聴いたのは8曲目のラ・キュート。

上記のCDをE-800で聴く。高域は、澄み切った高SN比で歪み、濁りが無い。低中域から上は分解力が高く、適切な制動で締められ、音が密集しない。音が痩せない力強さもある。また、繊細なトーンで覆われ、やや柔らかい音調だが、高コントラスト、つまり、ハッキリ、クッキリして魅力的です。新鮮です。低域は、混濁とレスポンスの遅さを感じました。遠近感、立体的な音像は、得られます。前後左右に広がるサウンド・イメージは再現できますが、やや音が荒く、無理をしている感じがあります。以上、率直な感想です。

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A-75開発を担当した同社・第二技術部 回路一課 田尾係長に訊ねたことがある。「内部部品は、特殊で高性能な物を厳選して使っているのですか?」と。「特殊で高性能というより(既存品を)選別してこれで大丈夫という物です」と田尾係長。「それは言ってみれば、その辺でも手に入る汎用品の範疇ということですか?」。「そうです」。「(その部品は)アキュフェーズの要求する品質・性能を満たす物ということですね」。「はい」。(注、部品が高性能なのはいうまでもありません)

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アキュフェーズの設立が、1972年。確か、同社初のパワーアンプ、1973年発売のP-300の部品が最近、無くなってメンテナンスができなくなったと聞いたことがある。アキュフェーズは、特注部品は使っていない。部品在庫は豊富。E-800も購入したら一生ものだね。