洋酒 酒徒礼讃 サントリー シングル・モルト・ウイスキー 白州・・不良っぽさを感じない。

サントリー 白州 シングル・モルト・ウイスキー。左のステンレス製計量カップ、メーカーは、オクソー(OXO)。アングルドメジャーカップとも称している。ツーフィンガー(60ml)をこれで計って飲む。カップの上から覗いて量が判る。飲み過ぎ防止のため有効。トレイテーブルは、松村勝男デザイン。

柑橘系の溌剌(ハツラツ)とした若い酒だ。そして、不良っぽさを感じない。ニッカの「フロム・ザ・バレル」は、年を取った不良みたいな酒。両者、対照的な味。

薫風(くんぷう)。初夏の風が運ぶ青葉のように爽やかな香りのイメージ。うん、柑橘類の果物のよう。口に含むと、うん、その果物、瑞々(みずみず)しい。うん、その新鮮さが舌の上にのってくる。苦味とか抉味といったウイスキーに陰影をもたらす味は、あることはあるけど、少ない。どうしても、柑橘系の酸味が、麦の甘さかな、その甘味をひっぱり、口の中で、甘酸っぱさが弾ける。後味は、甘味。薄め、軽快、手垢がついてない無垢な印象。

ラベルに「森の若葉のようにみずみずしくフレッシュな香りに、すっきり爽やかな口あたりです」とある。確かにそんな感じ。ウイスキーのスモーキーさ、くすみ、太陽が昇りはじめ、土が暖められ、朝霧が晴れていく田舎のくすんだ朝の空気の匂いはない。そのせいか、ツーフィンガー(60ml)。また、ツーフィンガーとグラスを重ねると飽きてくる。甘味だけが、舌に残る。一杯でグラスを逆さにしたい酒だ。ただ、おれは、ツーフィンガーを三回行わないと満足できないタイプ…。ああ、卑しいのんべいだ。

製造者 サントリースピリッツ㈱A 東京都港区台場2丁目3-3 「白州」シングル・モルト・ウイスキー 白州蒸留所謹製 4500円ほど。

なお、話題はビールになるが、ステレオ誌8月号。「俺たちのSummer Craft Party」、~クラフトスピーカー(自作のSP)を肴にクラフトビールで乾杯~という記事が掲載された。P98参照。ここでリファレンス、味の比較で基本とするビールを「サッポロ黒ラベル(親しみを込め、ワン・スターという人もいる)」としていた。「うーん、やるな」思わず唸った。おれも、「黒ラベル」がビールの味のリファレンスと思っていたからね。麦芽とホップだけを原料とする「エビス」などに比べ、「黒ラベル」は、米、コーン、スターチも原料として、雑味があって面白い。オーディオ的に言えば、繊細さは、麦芽100%に及ばないが、雑味がある分、奥行き、陰影感が味にある。これが、ビールの基本の味かなと考えていた。さすが、ステレオ誌!。やるな!(流石、福田雅光先生!)。