オーディオ・ベースマン見たり聴いたり トライオード TRV-A300SE その② しみじみと音が聴こえる…。

トライオード TRIODE TRV-A300SE。廃盤モデル。2013年、当時、定価17万円ほど。リネアに繋いで、A300XRら現行、トライオード製品と比較。

トライオード最新製品と比較して聴くと、一昔前の音と思わざるを得ない。奥の大きい真空管二本を、PSVANE(プスバン) WE300B(およそ、42.000円 一本)に変えると、音の豊かさ、色つやを損なわず、解像度を改善できる…と思う。

300Bの魅力。それは、中間帯域の解像度、SN比、コントラスト、音の立ち上がり、柔らかさ、しなやかさといった要素。トライオード最新機種と比べると、A300SEから聴こえてくるのは、やわかさ。倍音(響き)に格別の良さがあり、音が痩せず、肉づきを感じられる。オーディオ的に必要とされる要素、音を押し出したり、溌剌(はつらつ)とした聴かせ方はできない。

でも、オレは、「ブンブン、弦が鳴るベース、チェロ(A300XRの聴こえかた)より、しみじみと胴が鳴るベース、チェロを聴かせるA300SE」を取る。

同じ300B真空管を使いながら、A300SEで変換された電気信号の再生音が、楽器の持つ「色、艶」を失わないような気がする…。