オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ A-75 その①・・前作より瑞々しいと思います。

アキュフェーズ A-75 120万円。カタログには未掲載だが、フロントパネルの表示ロゴ(STEREO POWER AMPLIFIER)が金文字へとグレードアップ。消費電力(無入力時の電力)がA-70の280Wから260Wとやや省エネに。

「A-70より性能は向上したと思いますけど、向上したのはどの辺だと思いますか?」。A-75の開発を担当した同社・第二技術部 回路一課 田尾係長に訊ねた。

「A-70は、もともと良かった」とニガ笑い。「(それに比べて)帯域を広げ、歪み(を少なくし)、解像度が上がった(と思います)。そのため、ネットのブログ、レビューでも言われているように、(A-70より音の印象が)瑞々(みずみず)しいと思います」。

音の輪郭を極太に描かず、コントラストの高い繊細な線で縁どる。キリリと締まりながらも硬質感なく明確な音像、ストレスなく広がる自然な音場表現。やや明るいながらも色付けの無い、強調した帯域ないフラットな音調。軽く「フッ」と音が耳に届くようなレスポンスとスピード。誇張して音楽を再生しない。確かに、瑞々しい。

「入力を受ける入り口に、C-3850と同じ”インスツルメンテーション アンプ方式”を、電力増幅部にはA-250、P-7300で培った技術を取り入れています。そして、パワーMOSFETは、フェアチャイルド・セミ・コンダクターの製品をつかいました」という。電気工学的な事はよく分からないが、電気信号のヌケが良く、軽やかに伝わるような回路設計

僕が、アキュフェーズ製品に期待する、もしくは要求する性能は、「音楽を聴かせる(の邪魔をしない)。作曲家の意図を忠実に再現する(損なわない)。演奏家の表現を誇張しない(崩さない)」の三点。その観点からすると、A-75はその要求を満たしている。聴き収めの連休最終日、6日。そう感じた。うーん、誘惑されそう。