洋酒 酒徒礼讃 英国・・ジョニーウォーカー 黒ラベル・・これが、ウィスキーのリファレンス

ジョニーウォーカー 黒ラベル 12年。右は、ドイツの女流・ピアニスト エリー・ナイのCD。晩年の録音全集成・12枚組。1960年から68年の録音集。一聴で驚愕する。打鍵が強靭。とても、80歳を超えたピアニストの録音とは思えない。

エリー・ナイのピアノの鍵盤を叩く(弾く)音は、強烈だ。が、ウィスキーは、呷(あお)る、いや、一啜(すす)りすると激烈な味というより、咽(むせ)かえる刺激に恐怖を覚える。それでも、飲むのだから酒徒とは困ったものだ。

芳香は、チョコレートのように甘いが、少々、薬品臭さの感が。この香り、「カバ君と一緒に、ガラガラしての・・」のイソジンだ。この時点で、ヤバイ。これが、酒、という事でなかったら口にはしない。「スモーキーフレーバー」。ビート(泥炭)で燻されたモルト(大麦)を原料とするウィスキー特有の匂い。燻された香り。どんな香りかといえば、「火災が鎮火された後の焼け跡の匂いが凝縮された」如き匂い。・・すいません。表現が良くありません。「薪(たきぎ)の残り香」と表現します。

さて、「ジョニ黒」。生(き)のままで。口に含むとシゲキ的な苦味(酸味)が、「スモーキーフレーバー」とともに口蓋から鼻に抜ける。ソロリと飲み込み始めると舌の付け根に新鮮で濃厚な甘味を感じる。その後、口全体に苦さが広がるが、鮮烈、ふくよか、重厚な甘味が。飲み込むと後味に酸味が。・・そして「薪(たきぎ)の残り香」。「ジョニ黒」、日本酒では得られない、苦味、甘味、鮮烈、奥行きのある彫りの深い味を表現。ウィスキーのリファレンス(基準となるもの)

ウィスキー、味は複雑、酒徒にとっては、驚天動地(きょうてんどうち)、魑魅魍魎(ちみもうりょう)なドリンク。非常にクセのある味だが、何故か、その味を味わいたくなる。日本酒と違い、「グビグビ」飲めない。多すぎると咽(むせ)る。咽る、咽ない、という、間(はざま)を調整しながら飲むのが心地よい。

この酒は、40種類のモルト、グレーン・ウィスキーをブレンド(混ぜ合わせ)して味を決め、常に、同一の味が作り出されている。ブレンダーって凄い。

ジョニーウォーカー 黒ラベル 12年  2.400円程度。日本のどこでも手に入る。