オーディオ・ベースマン見たり聴いたり エラ・フィッツジェラルド ガーシュイン・ソングブック・・解放された自由な世界

エラ・フィッツジェラルド ガーシュイン・ソングブック。3CD。アマゾンで1.200円ほど。音質より演奏内容で勝負のアルバム。左の容器は、欧州家庭の卓上容器。本来は、「マスタード、バター」を入れるものだが、酒盃としてウィスキーを「生」で飲むときに使用。

「素晴らしい音楽」を楽しむCDだ。音質は二の次でいいと感じる。エラ・フィッツジェラルドのナチュナルな歌声を活かすためにも、ボーカル帯域を程よく引き締め、潤いのある音に調整されたシステムで聴きたい。ベースマンに比べ、我が家のシステムは、ボーカルが膨らむのが残念だ。

音質としては、中間帯域のSN比、解像度が「まあ、良いかな」というレベル。帯域は、狭く、高域、低域とも今一つ。なめらかだが、音のメリハリ(コントラスト)は高くない。

レコード盤で聴くとおそらくもっと音質はいいだろう。ディーク・エリントンとの共演の「ソングブック」同様、入手は難しいと思う。

良き音楽鑑賞のため「デューク・エリントン・ソングブック」の素晴らしさを教えて下さったヤフオク出品者のsql02717さんの印象を掲載させて頂きます。僕が百万言(ひゃくまんげん)費やすより、エラ・フィッツジェラルドの魅力がよく理解できると思います。(極めてごく一部、編集あり)

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***解放された自由な伸び伸びした世界。「素晴らしい」に尽きます。とても品の良いヴォーカルの世界です。クラシック好きの私が一時期熱中して聴いていました。いつものようにカセットテープに録音し、家でも車でも、ということでした。これは、ジャンルを超えた間違いなく“古典“だと思いました***

以下は、数年前に販売した時に落札者された方から「モノラル盤が本命とはどういうことなのか。教え下されたら幸いです」との質問を受けました。それに答えた時の文章です。

***MONO盤は、エラのヴォーカルが幾分か全面に出てオケは幾分かバックで支えているとの様子を明確に感じます。また、音質は自然でテカテカしていません。STEREO盤が悪いとは言いませんが、その差は明白でMONOはエラの歌声がしっかりとゆったりとそれが静かにたっぷりと聞こえてくるといった印象です。とても上質です。雰囲気がとても良いのです。派手ではないお酒。これぞボーカルジャズといった印象です。英文学者にして随筆の名手である吉田健一が「洋の東西を問わず、本当に旨い酒は限りなく水に近い」との言葉を残しています。私はこれを「濃厚ではなく、淡泊というのでもなく、限りなく、澄んでいて、味わい深い、という意」と得心しています。エラのMONOはそれなのです。また、MONOが本命との発言を何度か見たことがあります。***

***エラは、エラがそれまでに味わい尽くした苦労を浄化して、日々の時を生きて、今在ることの時を身に感じ、その歓びと感謝とを何者かに、そして、自分の歌う世界を共感して聴いてくれる人々に向かって感謝しながら歌っている。そんな呼吸を私は感じます。「素晴らしい」に尽きます。***