オーディオ・ベースマン 見たり聴いたり アキュフェーズ C-2850 AD-2850試聴

DSC_0068おそらく、メーカーが存続する限り変わらないと思われる外観。シャンパン・ゴールドのフロントパネル、対象に配置された入力セレクターとボリュームノブ。アキュフェーズのプリアンプ入門機のC-2120(約50万)から最高機種のC-3850(約200万)まで、オーディオに興味のない人がみたら同じ製品に見える。価格差は約4倍と「ゾッ」とするものがあるが、「ソッ」と、2120から3850にグレードアップしても家人に気づかれることは、まず、ない。この辺にアキュフェーズの製品展開の狡猾さが窺える!?。

写真、ドクトル・ファイキャルトの下がC-2850である。入力されていないため、インジケーターの明かりが灯ることもなく寂しい。C-2850のロゴをアップで撮影すればよかったと反省している。ご面相(デザイン)は、変化しないから写真撮影は難しい。ただし、内容は十分に前作の2820を上回っている。

高解像度、高S/N比、高域特性に優れ、帯域が広く、音のコントラストが明確。透明度が高く、音の立ち上がりは3850よりいい感じ。高域を混濁なく繊細に伸ばし、中域を的確に分離しながらも倍音(楽器の響き)を見事に再現。そして、締まりを利かせ、密度、力強さを失わない低域を実現させている印象。

2820は、音の透明度が高く、音の出だしの反応は鋭かった。2850は、その特徴を受け継ぎながら、全体的に音の陰影を濃くし、2820では得られなかった彫琢(磨かれた)の深い表現を可能としているようす。

当店の常設の3850と比べると、値段に比例した性能と言わざるを得ないが(値段なりの性能はアキュフェーズの製品の最大の特徴だと思う)、その音質は、好感が持てる。

2年ほど前に当店でアキュフェーズの試聴会が行われた。その際、3800の設計担当者した人(若い方)が3800で狙った音の表現を語ってくれました。

「音の無い空間に、フッと現れるような音。S/N比の追及とでもいうのでしょうか」との事。

アキュフェーズでは、製品開発に5人ほどのチームを組み、製品開発が終わるとチームは解散される。アンプ専門とかプレーヤー専門といった開発担当者はおらず、常に、担当者は入れ替わるとの説明。

さて、フォノイコライザーのAD-2850(22万ほど)ですが、写真を撮るのを忘れてしまい残念です。

比較は、C-37(55万ほど)となります。2850に挿入して試聴しました。C-37は、高解像度、高S/N比、広帯域、透明感の強い、すっきりとしたクセのない音質。

店主が一聴後、「まえのフォノイコライザーよりずっといい」といってました。

聴いた感じでは、C-37と遜色ない。C-37の音質をややこじんまりとさせた(音質は劣るのでしょうが、表現としてです)感じです。残念ながら、LP一枚の試聴でしたのでじっくりと聴いてはおりません。

自分の使用しているC-290Vに両者を使用(20年ほど前のプリアンプにも挿入できる。素晴らしい!!)、レコードを聴いたらC-37の方が、良かったのは残念です。

フォノイコライザー込みで、150万ほど。高額商品であることは間違いない。何かの拍子で小金(あぶく銭)が入って、レコード再生を目指す方にはオススメします。

2019年 5月14日 追加

C-3850、C-2450と三年ぶりに比較試聴。ピアノ協奏曲。3850再生時の演奏者の手首の動き、鍵盤に当たる指のタッチが見えるような繊細な聴こえ方からすると、性能は落ちると言わざるを得ない。ただ、強調した帯域がないのは、こちらの方か?。3850は、高域に伸ばしているような気がする。