オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ AC-6 その①・・俺たちはアンプ(増幅器)屋!

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アキュフェーズ MCカートリッジ AC-6 「俺たちはアンプ(増幅器)屋」という自負を如実に表す同社最小の機器。テクニカ AT-ART9、フェーズメーション PP-MONOと比較試聴。

秀でた音の瞬発力。キレ、シャープさが新鮮味を与え、密度は高いが、優れた解像力を持ち、重苦しさ、堅苦しさ、弛緩といったものを排除。ノイズ、歪みが極小。針を落とした一瞬で、前後左右、上下に奥行き、深みのあるステキ音楽空間を構築。的確なダンピングを効かせ濃厚で快活、力感に溢れる低域。中域の倍音は明確でふくよか、高域は繊細、極細に伸び、最高域でも輝く。高精度、ナチュナル、人肌の柔らかさ、暖かさといった要素も加味。円盤(レコード)の溝のあらゆる情報を引き出す。やや、低域よりで重心の低い音質。中高域よりだったAC-5から変化。

オーディオ的性能を要求し、かつ、音楽に浸るように聴きたい人向け。もちろん、所有欲も十分満たす!。

比較試聴では、モノラル録音レコードを再生、C-3850をMONOモードに設定。AC-6(約40万)、PP-MONO(約20万)、ART9(約10万)という価格差通りの結果。AC-6が、すべてのオーディオ的要素(高SN比、高解像度、優れた高域特性、広帯域)で圧倒。但し、PP-MONOは、「音の芯のある奥行きのある音質」、ART9は、「全域がフラットで音の伸びがいい」と魅力がある。両社とも価格を十分満たす性能。

その昔、アキュフェーズに興味がなかったころ、「俺たちはアンプ屋、増幅技術を活用した製品しか創らない」という。だから、スピーカーなどを創らないとの記事を読んだ記憶が。「ふーん、そうなの。そのうちに手詰まりになるんじゃないの」とその時は思った。けど、使用するとまさに、それを裏付ける製品群。得意技術に特化、技術を進化、深化させ隙間(ニッチ)な分野で圧倒的な存在感を見せつける。中小企業としては理想的な経営と言わざるを得ない。

使用中のヴァン・デン・ハルのSPケーブルにやや似た傾向の音質。一秒、聴いただけで気に入ったが、37万円。ウーン、ウーン、言わずもがな・・である。