洋酒 酒徒礼讃 アイルランド(愛蘭) カネマラ・・完結した「モルトウイスキー」・「枯淡の味わい」

カネマラ アイルランドのモルトウイスキー。1987年にできた蒸溜所。酒盃(ショットグラス?)は、18-19世紀 「仏蘭西雨漏り白釉筒容器見立て酒盃」。おフランス製。底が分厚く、低重心、持ち重りする。「濃い」味のモルトウイスキー用にベストマッチング。ヤフオク、mukashigatarisorekaraさんより分譲品。

MONO録音と同じ、奥へ、奥へと遠ざかる奥行きがある。「枯淡の味わい」の酒。

香りは、鼻をくすぐるような甘い、爽やかさと濃厚さが同居する「バニラ」香。口に含むと、ハチミツを「ギュッ」と煮詰めて凝縮したかのような「甘味」。そこに少々、「イソジンのヨード香」、焚火の残り香(スモーキーフレーバー)も。炭化した木を口に入れたら・・こんな味かも・・といった「苦味」。ただ、「甘さ」が勝るため、「ウッ」と咽(むせ)ることはない(・・オレはね)。飲み込むと、喉が焼ける感じもない。意外にスムージーで単純な味。後味は、「苦味」、「酸味」、「甘味」の三種混合。「酸味」が後味として出てくる理由はわからないけど・・。しばらく、舌の上、喉奥に残る。

「濃い」けどジョニ黒より「甘味」が濃厚で広がらない。ブレンドされたウイスキーのような豊麗(ふくよか)かつ色彩(色々な味)はない。洋酒で「濃い」が、水墨画のようなイメージ。この「カネマラ」の味に比して、日本酒は「はしゃぎすぎ」、ジョニ黒は「派手な酒」。

新鮮な空気感(!?)、消火された薪(たきぎ)の香りのような苦味、大麦の濃縮した甘味、体によろしいお薬の味。完結した「モルトウイスキー」。

アイルランド(愛蘭) 価格は、3.000円ほどから4500円ほどまで。

以下は、mukashigatarisorekraさんの酒盃出品時の説明文です。

18-19世紀「仏蘭西雨漏り白釉筒容器見立て酒盃」

伝世完器(経年の雨漏りと磁貫) フランス製だそうですが、この種の卓上容器(マスタードやバターなど)は、近世の欧羅巴(ヨーロッパ)どこの国でも同じスタイルです。口縁下に環状に溝を彫って形状に唯一のアクセント ーまさしく欧羅巴そのものの意匠なのでしょう。単純で不変不滅のデザイン。やはり、完成した美があります。

 

 

 

 

日本酒 酒徒礼讃 宮城県大崎市 一ノ蔵無鑑査 本醸造 甘口・・「もっきり、やっぺし!」。

一ノ蔵無鑑査 本醸造 「甘口」。この酒、「辛口」もあるが、「甘口」の方が旨い。どう旨いのかは忘れましたけど・・。「もっきり」が合う酒だ。

酒屋で買った酒をその場で飲むことを北九州方面では「角打ち」と称する。一週間ほど前に知った。「もっきり」。岩手・釜石方面ではそう言う。

新日鉄釜石の全盛期、昭和30年代、40年代初頭。労働者は、甲・乙・丙(こう・おつ・へい)番の8時間の三交代で24時間、よく働いた。仕事を終えた男達は、朝、昼、夜といった時間に構(かま)わず、帰宅途中、「もっきり、やっぺし(やろう)!」と声を掛け合い、酒屋へ てく(歩き)か自転車でゴー。当時、給与は現金支給。酒屋は良かったでしょうけど、酒飲みの奥さんたちは、かなり難儀をしたことでしょう。会員(?)が100人を超える酒屋もあったとか。

ベトベトしない甘さがいい。燗で酸味が立つ。燗がオススメ。冷や(室温)だと無臭の甘く、酸味の少ない味。燗すると、饐(す)えた米の香り、酸味が立ち「甘味」がキリリと締まり、立体的に。後味として「酸味」が口の中に残る点もいい。四合瓶、858円の価格はまさに、「もっきり」向け(庶民向け)。

ラベルに特級、一級、二級という日本酒の等級があった頃の話が書いてあり、酒のつまみに丁度いい。等級を知っている世代としては、昭和は遠くなったことを感じる。

宮城県大崎市松山千石字大欅14番地 製造者 ㈱一ノ蔵 一ノ蔵無鑑査 本醸造 甘口 858円。

2019年 3月24日 追加

「辛口」は、酸味が強すぎる。「旨味」といった米の豊かな味が感じらないのがネック。味の広がりに欠け、少々、余裕が無く、せせこましい。米の「旨味」はなくてもいいが、その「旨味」を感じさせる何かしらの余裕が欲しい。

 

 

 

 

洋酒 酒徒礼讃 兵庫県 あかし AKASHI・・日本酒テイスト、一対一のお湯割りで。 

あかし AKASHI WHISKY RED。500mlという分量が魅力。何故かというと、意地汚いので、ボトル半分まで空けないと不満。700mlの瓶では飲み過ぎだ。250mlでも飲み過ぎだけど・・。

「あかし」の傍(かたわ)らのCDは、キングクリムゾンの「レッド」。聴きながら飲むと盛り上がるが、酒の分量は、レッドゾーンを超えてはいけない。

「薄い」味のウイスキー。バニラアイスのような微かな芳香だが、敢えて言う、香らず、咳き込まず。全体的に、スモーキーさ、酸味、苦味、甘味を抑え込んでいる。口に含んだ瞬間にウイスキー特有の「ウッ」とくるシゲキなし。鼻腔に抜ける酸味もない。ウイスキーというものの味の輪郭を、まろやかに、よく言えば、儚く、弱くしている。鮮烈、「濃い」味とはおさらば、まろやかで、薄めの日本的ウイスキーを作ろうという姿勢の下、作られたのかな・・。まったりとした「旨味」に日本酒テイスト(味)を感じる。飲んべいは、「グビ、グビ」飲める。あっ、これは40度のアルコール。注意して!。

このような「薄い」ウイスキーは一対一のお湯割りもいい。

兵庫県 明石市 大久保町西島919 製造者 江井ヶ嶋酒造(㈱)AKASHI RED       あかし 明石の地ウイスキー 確か記憶では、850円ほどだったような・・。 

 

 

 

 

 

 

洋酒 酒徒礼讃 鹿児島 マルス ウイスキー 3&7・・純日本的味覚の大麦・玉蜀黍の蒸留酒かな?

マルス ウイスキー 3&7 MARS WHISKY Three And Seven レコードを聴きながら、飲み「ハッ」と気が付くとこの写真のような状態の時がたびたび・・。あぶない、あぶない。だらしない。でも、酒徒とはそんなもの。

氷点下、日曜の静謐な夜。部屋の外は満天の星空。シリアスな音楽でこの夜を締めくくろう。1944年初演、大戦前の不安と緊張感漂うバルトークの「管弦楽のための協奏曲 Sz.116」(フリッツ・ライナー指揮、シカゴ交響楽団)。

バルトークを聴くころには十分、出来上がっていた。曲を聴きながらーー21世紀に入りますます混迷の度合いを深める世界を俯瞰するーーなどど、大袈裟なことを考えて、忘却の彼方に突入。それから我に返ると、テーブルは写真の有様で、レコードのB面の内周を果てしなくトレースする空しい音が聴こえる。

スモーキーフレーバー(薪の残り香)、苦味、甘味、酸味、各味が混然とした奥行きのある立体的な味。いずれの味も味わえるが、どれをとっても鮮烈さには欠ける。やや、控え目。もやもやした味ではないが、淡い水墨画的な薄さがある。日本酒のさっぱりとした「軽み」よりは重く、ウィスキーの奥行きのある立体的な重い味まで届かない。丁度、その中間的な「濃さ」。従って、咽(むせ)ることなく飲みやすい。和洋折衷、中途半端な良さがある。正に、日本のウィスキーのリファレンス。これに比べるとニッカは濃く、サントリーはやや薄い気がする。

瓶ウラのラベルに・・山麓に広がる緑深い森の滴を想わせるような、ホワイトオーク樽香をきかせたウッディな香りと味わいを、手軽にお楽しみください・・とある。大麦(モルト)と玉蜀黍(トウモロコシ)のブレンド。

製造者 本坊酒造㈱ MW 鹿児島県鹿児島市南栄3丁目27番地(本社) MARS WHISKY    Three And Seven 3&7ウイスキー。1500円ほど。

製造は、中央アルプス。

 

 

 

 

 

 

 

 

洋酒 酒徒礼讃 英国・・ジョニーウォーカー 黒ラベル・・これが、ウィスキーのリファレンス

ジョニーウォーカー 黒ラベル 12年。右は、ドイツの女流・ピアニスト エリー・ナイのCD。晩年の録音全集成・12枚組。1960年から68年の録音集。一聴で驚愕する。打鍵が強靭。とても、80歳を超えたピアニストの録音とは思えない。

エリー・ナイのピアノの鍵盤を叩く(弾く)音は、強烈だ。が、ウィスキーは、呷(あお)る、いや、一啜(すす)りすると激烈な味というより、咽(むせ)かえる刺激に恐怖を覚える。それでも、飲むのだから酒徒とは困ったものだ。

芳香は、チョコレートのように甘いが、少々、薬品臭さの感が。この香り、「カバ君と一緒に、ガラガラしての・・」のイソジンだ。この時点で、ヤバイ。これが、酒、という事でなかったら口にはしない。「スモーキーフレーバー」。ビート(泥炭)で燻されたモルト(大麦)を原料とするウィスキー特有の匂い。燻された香り。どんな香りかといえば、「火災が鎮火された後の焼け跡の匂いが凝縮された」如き匂い。・・すいません。表現が良くありません。「薪(たきぎ)の残り香」と表現します。

さて、「ジョニ黒」。生(き)のままで。口に含むとシゲキ的な苦味(酸味)が、「スモーキーフレーバー」とともに口蓋から鼻に抜ける。ソロリと飲み込み始めると舌の付け根に新鮮で濃厚な甘味を感じる。その後、口全体に苦さが広がるが、鮮烈、ふくよか、重厚な甘味が。飲み込むと後味に酸味が。・・そして「薪(たきぎ)の残り香」。「ジョニ黒」、日本酒では得られない、苦味、甘味、鮮烈、奥行きのある彫りの深い味を表現。ウィスキーのリファレンス(基準となるもの)

ウィスキー、味は複雑、酒徒にとっては、驚天動地(きょうてんどうち)、魑魅魍魎(ちみもうりょう)なドリンク。非常にクセのある味だが、何故か、その味を味わいたくなる。日本酒と違い、「グビグビ」飲めない。多すぎると咽(むせ)る。咽る、咽ない、という、間(はざま)を調整しながら飲むのが心地よい。

この酒は、40種類のモルト、グレーン・ウィスキーをブレンド(混ぜ合わせ)して味を決め、常に、同一の味が作り出されている。ブレンダーって凄い。

ジョニーウォーカー 黒ラベル 12年  2.400円程度。日本のどこでも手に入る。