オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ステレオ誌 究極のオーディオチェック CD 2019・・これはイイ。

stereo(ステレオ)誌 究極のACDC(オーディオチェック CD)。ステレオ誌の7月号 付録。聴きどころは、トラック9から13曲の増尾好秋さんのジャズ(フュージョン?)・ギター。蒸し暑いこの時期、爽快なギターの音色は清涼剤。

シンプル イズ ベスト。2019のステレオ誌のオーディオチェックCDは非常に使いやすい。一番いいのは、ソコソコにオーディオ・セッティングが決まっていれば録音場所が、「スタジオ」なのか「ライブハウス」なのか、聴きとれる点。

2014から、’15、’16、’17と買い続けたが、僕にはあまりにも凝り過ぎた内容、過剰なトラック数、馴染みのない楽器、音源などなど、いささか、持て余した。′19バージョンは、13トラック収録。しかも、四つの楽器、あっ、ボーカルも加え五種の音を使っての録音とあって聴きやすい。しかも、エレクトリック・ギター中心で、高域まで鮮烈、清冽に伸びる音色は、夏の蒸し暑さを吹き飛ばすグッド・アイテム。

トラック9から13までの録音は、ビクター・スタジオ301と新宿 ライブハウス「J」を使用。スタジオ録音は、左右の楽器の分離、位置が明確、各楽器の音色が明瞭で音楽の背景が静か。そして、スタジオ空間の広さが分かる。一方、「J」は、各楽器がセンターに寄り、狭い空間、音楽の背景が少し騒がしい。そして、楽器の音色にくもり、濁りが発生している。たしか、ライブハウスの音はこんな感じ。

セッティングが決まっていれば、酔っぱらって聴いても録音場所が判断できる。さあ、今宵も飲みながらオーディオのチェック。しかも、CDなので無我の境地に陥っても安心、安心。

 

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり マントヴァーニ・・デッカ録音の至芸、ここに極まれり。

マントヴァーニ オーケストラ。イタリア・ミア ITARIA MIA。ヤフオク、khattori22さんより分譲品。

オーケストラの中に浮かび上がる独奏楽器の音色が美しい。デッカ録音の至芸が、堪能できる。もう少し、SN比と音のコントラストが上がればなぁと思う…、いや、これで十分だ。

現代。楽団員をスタジオに集め録音することは非常に経費がかかり、儲からない。市場も飽和状態。そのため、今では、クラッシクの音源は、ライブ録音が、中心。このLPのような録音が行われる機会は、ますます、減るだろう。その意味でも50年以上前のこのレコードは、貴重品。

おっ、1961年録音。「ワルツ・フォー・デビィ」と同じ時期だ。

ヤフーオークション出品時、出品者のkhattori22さんが有意義なコメント[recordkarte]を掲載。全文を引用させて頂きます。(一部、省略。ゴシック表記はブログ制作者)

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ffrrやFFSS黎明期にアンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団と並び英国デッカ社の二大看板オーケストラだったのが、マントヴァーニ楽団。小編成の交響楽団のコンサートに近かったマントヴァーニは、生涯750曲以上録音を残し、一億枚以上のLPを売り上げたと云われていますが、この事実から英デッカを語るに無視出来ない存在です。小生も自身を持ってアンセルメと同列に語らせて頂きます。

クラシック愛好家+ポピュラー愛好家を足して2以上の効果を生み収益に貢献、英デッカ社に経費が嵩(かさ)むイタリア・オペラ全曲録音やバイロイト実況録音、高価なAMPEXやノイマンなどの業務用機材購入等々英デッカ帝国黄金期樹立に一番貢献したのはマントヴァーニだったのでは。そうです、彼の御蔭で高音質のデッカ盤が楽しめると云っても過言では有りません。クラシック愛好家人口には限界があると見た英デッカ社が圧倒的なメジャーで人口の多いポピュラー愛好家にターゲットを定めて、その最前線にマントヴァーニを位置付けたこの戦略は大成功!!!。クラッシック界帝王のカラヤンと云えども1億枚には程遠いはずです。

「できるだけ多くの人に、気楽にオーケストラ音楽を楽しんでほしい」。今、一度、この彼の残した言葉を噛締めてみましょう!。マントヴァーニのもう一つの魅力は、アコーステックな空間の中でオーケストラのバランスを取るデッカ特有のデッカ録音を具現したということでしょうか。ホール・トーンを適度に捉えつつ、個々の楽器や声をクローズアップする音づくりは、カルショー前から君臨していた英デッカのプロデューサー、トニー・ダマートとウィルキンソンのライバル(だった)アーサー・リリーという二人の才能が英デッカ社に居たという幸運が本盤を生んだと云っても過言ではないと思います。

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オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ラヴェル 子供と魔法・・「ごんぼほり」はレコードで・・ 

ラヴェル 歌劇<子供と魔法>。レコードはデッカの復刻盤。CDは、2013年のサイトウ・キネン・フェステバル松本のライブ録音。指揮はデッカがアンセルメ、CDが小澤征爾。販売店で手した時、「青い瞳、真っ白な肌の少年。不安な表情に惹かれる」デッカを選ぶだろうなぁ。

オーディオ的要素では、CD・小澤盤が圧倒。しかし、感銘度ではレコード・アンセルメの方が上…と思う。

小澤盤。曲が始まり、声楽が聴こえると舞台下にオーケストラ・ビットがあり各楽器を抱えた団員が左右に展開しているのがよく分かる。広い演奏会場の雰囲気を損なわず、前後左右の見通しのよい音場可能とする高SN比。音の輪郭が、シャープな高い解像力。低音楽器から高音楽器までしっかり聴かせる広帯域。次々と舞台に登場する歌手の位置、距離が把握できる定位の良さ。音楽も楽譜も会場の音も隅から隅まで余すところなくゴッソリ収録。歌手もオケも同格に聴こえる。

一方、レコード・アンセルメ。再現される音場空間が窮屈なことからスタジオ録音だと思うけど。まるで、歌手の歌唱表現に的を絞ったかのような演奏、録音。ボーカル帯域は、SN比が高く、明瞭、明確。フランス語ながら歌詞の言い回しに繊細な表現を駆使。各歌い手が、伸びやかに縦横無尽に歌い切っているような気が…。オーケストラは、CDに比べ、解像度、SN比、高域特性といったオーディオ的な要素は、落ちる。音楽も楽譜全ての音符♪を聴かせるのではなく、多少、省略している感じもするけど。それでも、オケの各楽器の音にメリハリをつけ、伴奏に徹し、各場面、場面の情景をうまく描写しているような。

CDの瑣末(さまつ)で楷書的。全てを取り込もうとする録音。レコードのある目的を持ち、意図的な表現に趣きを置く録音。ジャケット芸術の説得力も高く、アンセルメの方が、ターンテーブルに乗せる機会が多い。

あらすじは、ごんぼほり(聞き分けの無いという意味など。北海道、東北地方の方言です)の子供が体験する悪夢。宿題を済ませない事をママからとがめられた子供が小動物や身近な家具に八つ当たりをする。普段から本を破ったり大木にキズをつけたりと乱暴な子。突如、幻想の世界に引き込まれた子供。これまでいじめたり、キズつけた彼らに、その行為を問い詰められ、襲われる。その混乱の最中、ケガをしたリスを手当し子供は力尽きて倒れる。それを見た、家具や本、小動物らは子供を手当てしようとするが、かれらにはできない。そこで、家のそばまで子供を運び、最後に子供が口にした言葉「ママ」をみんなで叫ぶ。家に光がともり、その光に向かって子供が「ママ」と呼びかける。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)・・スピーカーの低域特性が良くわかる。

MJQ モダン・ジャズ・カルテット。「フォンテッサ」(モノラル)。ワーナーミュージック・ジャパン。WPJR10050 4.680円。ジャケットがいい。録音もいい。酒を飲むときにもいい。いいことづくめのLP。stereo誌 4月号。福田雅光さん、96点の録音評価。

ハイエンドならではの表現を味わえるレコード。高域でなく低域再生ですけど。

B&W800D 20Hz、ブロッドマンVC1 35Hz、タンノイ・オートグラフ 40Hz。各数字の以下の周波数は再生できない。

美しい高域、音楽の背景の静けさ(高SN比)、福田さんの解説の通り。ビューティフル!。

ベースマン。オートグラフで試聴した後、800Dにチェンジ。「高域が硬い」と思いつつ2、3分聴いていると、店主が一言「あれっ、藤井さん。わかりますか?。ピアノ、ベースの低音の下に(低)音が聴こえますよ」。「えっ?」と僕。店主、おもむろに立ち上がり、「もう一度、初めから、かけますね」。本当だ。「ドン」とか「トーン」とかいう低い音が聴こえる。オートグラフでは聴こえない低音。「何だろう?」。

店主が解説する。「おそらく、ピアノのジョン・ルイスか、ビブラフォンのミルト・ジャクソンが演奏の際に、床を踏んでいる音だと思います。ズテージの上での録音かな?。(靴が床を踏む)その音が、そのまま録音されているのだと思いますよ」

「オートグラフは、(低音)40Hzまで(の再生能力)なので、聴こえず、B&W800Dは、20Hzまで再生されるので、800でもってして初めて聴こえる音ですよ」。「なるほど」。

帰宅し、周波数特性、低域が35HzのブロッドマンVC1で聴いたが、聴こえなかった。アンプ等の性能の関係も絡むが、「ハイエンドでなければ出ない音がある」と感じた出来事。噂に聞く(僕自身、ハッキリ聴こえない)「ワルツ・フォー・デビィ」の「地下鉄の音」よりクッキリ聴こえる。

タンノイとB&W、どちらがお好みの音か?。ベースマンでお楽しみを。

 

 

 

 

 

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり マイルス・デイヴィス・・オレの頭をかち割ってみな!。

マイルス・デイヴィス LIVE AROUND THE WORLD  レコード ワーナーミュージック・ジャパン WPJR10047/8。6.480円。ステレオ誌 4月号、オーディオ評論家の福田雅光さんが「白手袋で扱うような名演」と評価。録音評価点、98点。一瞬、わが目を疑った。

ボクサー。(マーベラス)・マービン・ハグラー。__過去から現在に至るまで中量級最高のボクサーと言われる__は、名言を残している。

「オレの禿げ頭をかち割ってみな!。そこからはボクシング・グローブしか出てこないゼ!」。

マイルス・デイビスならボクシング・グローブをトランペット🎺に置き換えて言うだろう。さらに、「オレの胃袋の中のものを掴(つか)み出してみな!。音符♪♪♪しか出てこないゼ!」。と言いそう。そんなアルバムだ。そして、100や200人程度の「シケた」客の前で演奏なんて「ノー」。大観衆を相手にプレイするが自身の真骨頂だと主張するかのような録音。

久々に、B&W800Dの頭上に演奏者の音像が舞い降りた。透徹した広大な音楽空間の中(高SN比)に緊張感漂うマイルスのトランペット(高コントラスト)。オーディオ冥利、ここに尽きる。

店主曰く、「カインド・オブ・ブルー」を電子音楽でやるとこうなるのですねぇ。(フュージョンかな?、とも受けとれるけれども)やっていることは、ジャズだと思います

 

 

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ワルツ・フォー・デビィその④・・やっと謎が解けました。

ビル・エバンスのシルエットジャケット、五色。左から、箱(黒)、午後の第一回目(赤)、A面が午後の第二回目 B面が夜の第一回目(緑)、A面が夜の第一回目と夜の第二回目(青)、夜の第三回目(黄)。

ザ・コンプリート・ヴィレッジ・バンガード・レコーディングス、1961。四枚組。ヤフオク、amadeusistさんより分譲品。

第2曲目 「ワルツ・フォー・デビィ」、第3曲目 「デトゥアー・アヘッド」 第6曲目 「マイルストーン」。ワルツ・フォー・デビィのLPを聴くとこの三曲で客がやたらうるさい。「どうして?」と常々、聴きながら考えこんでおりました。この四枚組LPでその答えを見つけました。

夜、お酒をしこたま聞(きこし)召した客様が出来上がっている。「酔っぱらって、いい気持ち(ハイ)になって会話している」ということでしょう・・多分。

1961年 6月25日の日曜日、ヴィレッジ ヴァンガードでの演奏。午後2回、夜3回の計5回。おそらく、各ステージ、40分ほど。ステージの前、店員が、「商売、商売」とばかりに客から飲み物のオーダーを取りまくっていたと思われる。日本は、1ドリンク付き一時間から一時間半のライブが多い模様。ちなみに、ベイシーでの渡辺貞夫(2017年)は1ドリンク付き2時間だった。

一枚のレコードに収められた6曲の録音順は以下の通り

一曲目 ”マイ・フーリッシュ・ハート” が午後一回目(この曲はこの一回のみの録音)。二曲目 ”ワルツ・フォー・デビィ” が夜の三回目(その日、2回目)。三曲目 ”デトゥアー・ヘッド” 夜三回目(3回目)。四曲目 ”マイ・ロマンス” 午後2回目(一回目)。五曲目 ”サム・アザー・タイム” 午後2回目(この一回のみ)。六曲目 ”マイルストーン” 夜二回目(この一回のみ)。やはり夜です。ライブ中、お酒が進んだ客がさわいでおります。

酔った客のパラパラとした拍手、昼間から酒を飲んでいる女性の嬌声、男性のヤジ(!?)、チップ目当てに、そそくさと音をたてながらグラスを片付ける店員(?)、そういった「数々の音」がこの録音の魅力を引き立てていることは間違いありません。制作のうまさを感じます。

月刊「ステレオ」誌 2018年8月号。テラシマ円盤堂の一文。「・・ベーシストのスコット・ラファロはギャラの値上げ要求をのべつまくなし、ところ構わず行っていたという・・」。果たしてこの時のトリオの出演料は、いかほどだったのであろうか?。

2月20日 追加 一晩、一人10ドル。ネットで調べたら出てました。ジャズ評論家の小川隆夫さんが、ドラマーのポール・モチアンさんから聞いたとの事。さて、また疑問が?。この金額で生活できたのでしょうか?。出来なかったみたいで、結婚式などの演奏で糊口(ここう)をしのいでいたみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ホルストの「惑星」・・素晴らしい旧第一家電の45回転盤

ホルスト組曲 惑星 45回転盤。旧第一家電のDAM(Daiichi kateidenki Audiio Memders Club.の略か?)シリーズ。「マニアを追い越せ!大作戦」の一枚。ヤフオク、Kuso_oyazi4649さんからの分譲品。

33回転は、音が「粗(あら)い」、45回転は「緻密」。このレコードを聴くとそう思わざるを得ない。

曇りのない高SN比、滲みのない高解像度、歪みなく広い帯域。これが30年以上前に生産されたレコードの音とは思えない。高域は、素直に伸び切り、音の立ち上がりに優れ、澄み切った倍音表現。中域から中低域ではふくよかな響きを失わず、高密度。低域は、音が引き締められ明確、明瞭なコントラストを構築、レスポンスも優れている。上下左右に展開するステレオ録音と前方から後方へと奥行きのあるモノラル録音の両者の利点を合わせたようなスケールの大きさを感じさせるとともに、面前に広がる圧倒的なステレオ・イメージに酔いしれる。「惑星」という題名に相応しい録音だ。

出品者のコメント。「アナログ時代にオーディオマニア向けにいろいろな盤がでましたが、録音レベル、過度特性、全てにおいてこのDAMのシリーズが一番良かったと思います。デジタルでこの様な音が出れば、私のコレクションを全部CD、SACDにします。演奏も本場もので大変素晴らしい」。

・・・・・同感です。

 

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり マニタス・デ・プラタ・・柳沢功力さんが聴かせてくれました。

マニタス・デ・プラタの芸術。VOL.3。45回転盤。日本ビクターのフィリップス・レコード。第一集(VOL.1)は二枚組と,第二集(VOL.2)は33回転。柳沢功力さんが昨年のオーディオショウで聴かせてくれたのは海外盤かな?。

2018年11月17日(土)、東京インターナショナル・オーディオショウ。テクニクス(Panasonic)のブースで講演された評論家の柳沢功力さんのセレクト。演奏、音楽ともに秀逸。普段聴かない分野なということもあり、LPをオークションで入手。

B面の“セギリヤス”。歌い手は二人。左のスピーカーからホセ・レイスの歌唱、右はリカルド・バラルド。センターのやや右でマニタス・デ・プラタがギターを弾き、合いの手を入れる。曲の終わりの拍手の様子から3人の背後を取り囲むように5,6人の客がいる様子。左右の奏者の定位とその傍(かたわ)らの聴き手の存在を聴かせることで録音に奥行きが出ている。

音楽の背景が静かな高SN比、といっても「澄み切った」「静寂」「無音空間」といった非人間的な表現を求めず、曇りなき漆黒(しっこく)の闇の中に3人の奏者が浮かび上がり、その背後に「人の気配」を感じさせるSN比の良さ。帯域は広くないが、中間帯域を中心にして高解像度、密度が高い。音の輪郭を極太に描き高レスポンス。結果、極めてハイ・コントラストで立体的、肉感的な音像を構築している。録音現場は、教会内(おそらく、西部劇に出てくるような小規模なもの)。マニタスがいつも演奏している飲み屋では録音機材が設置できないので、教会内に「居酒屋を再現し、客も入れて」録音したとか(柳沢さん談)。残響音を抑制した音場、やや嗄(しわが、もしくは、しゃが)れながらも湿り気を帯びたボーカル、乾ききった木質のギターの響きが臨場感を与えている。

***レコードに関して、柳沢さんが仰っておりました。以下はその概要です。

① レコードはすり減ることは、無い。埃、ゴミの付かない環境で使用すれば大丈夫。リフターは使用すべし!。昔は、「そんな物、使わないのが通だ」という愛好家の話があったが、手元が狂えば盤面にキズをつける。

② くわえタバコ。塩化ビニールは熱に弱い。かつてタバコを吸っていた自分のレコードにその後がある。

③ レコード針がすり減るということも無い。天然ダイヤを針先に使っていた頃と違い、現在は人工ダイヤを使用。しかも、結晶化の精度が格段に上がり、強度は十分。品質が安定している。

④ CDの曲間は短すぎる。フィッシャー・ディスカウの来日時「冬の旅」歌唱中、曲間では十分な間を取り、ピアノの奥で水分を補給したり、十分に間隔を空けていた。そのため、(柳沢さん自身)歌の余韻に浸れた。その「空き」が鑑賞中にも欲しい。それで、わざわざ、自宅で鑑賞中、席を立ちリフターでアームをレコードから外している。

なお、午後7時以降は、レコードを聴かないそうです。7時以降は「お酒が入るため」ということです。その気持ち、よくわかります。(お酒が回り、手元が怪しくなる。また、気が付けば、レコードを掛けたまま、気持ちよく無我の境地(寝る)になることも、しばしば・・・。

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オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ワルツ・フォー・デビィその③・・タンノイ・オートグラフで聴くと・・。

ワルツ・フォー・デビィ。レコード、CD、音楽配信と録音媒体は数多い。音質的には明白な「差」はない様子。「ライブハウスで聴くジャズ、かくあるべし!」との思いを心中に秘めつつ聴くべし!。

「今日のトリオ、なかなか、イケるじゃん」。一曲目「マイ・フーリッシュ・ハート」のそこはかとない演奏が終わる。お客が拍手。タンノイ・オートグラフで聴くと、「オッ、まごころのこもった拍手になった」

このLPを聴くなら、スピーカーは「冷たいB&W800D」より「飛燕(=つばめ)のスピードを持ち、温もりが感じる」。タンノイかな。

内野(ビル・エバンス・トリオ)から外野(ヴァンガード・ビレッジ内の雑音、客を含め)、果ては場外(なんでも、近隣を走る地下鉄の音、もしくは振動)が聴こえるというこの録音、日本人には、得難いライブの歴史的実況録音。出来れば、オレは、個人的には、このような雰囲気でジャズを聴きたい。だから、(オーディオ装置に対して)金を投資して、このLPを聴く価値は・・あると考えよう。

日本人は、襟を正して「拝聴したがる」。名前に弱く、欧米の有名人が来日すると「特に拝聴する」。従って、興業的な問題(儲ける)もあり、少人数収容のライブハウスより大人数の客の入る大会場でパフォーマンス。ビル・エバンスが大ホールで演奏したら感動しないだろう。おそらく。僕が行ったこともあるライブハウスで言えば、一関「ベイシー」、盛岡「すぺいん倶楽部」のような雰囲気は味わえない。しかも、この二店でさえ、飲みながら会話するのはおそらく「御法度」。

その意味からすると、これは稀有のLP。そこで、再生芸術として、ジャズライブの音楽的感銘を受けるにはいくらコストが必要か(いくら、お金がかかるの)?。ミニ・コンポ(古い表現かな)でも十分、感動できますけど。

オートグラフが120万、プリメインアンプが70万(セパレートが140万とします)CDもしくは、レコード・プレイヤーが50万、フォノイコライザが50万(CDのみの場合、必要なし。50万でクリーン電源導入かな)、ケーブルが10万ほど。ザックリ、計300万ほど。約新車一台分。これで、歴史的、音楽的、感動を何度でも味わえる。機器の償却を考えると、車は10年で0円です。オーディオ機器は違います。

さあ、究極の選択です!。貴方は、どうしますか?(おおげさかな?)。

 

 

 

 

 

 

 

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ワルツ・フォー・デビィその②・・客のまばらなライブハウスの名演に哀愁を・・

ワルツ・フォー・デビイ。国内盤。<リバーサイド・オリジナル・レコーディング・シリーズ>60 SMJ-6118(SRS-6060)のライナーノーツ(解説)。レコードプレイヤーは、パイオニア エクスクルーシブ P3。中古品、45万ほど。

「・・ビル・エバンスは、度々来日して ”マイ・フーリッシュ・ハート” や ”ワルツ・フォー・デビー” といったビル・エバンスのおはこを演奏しているが、わたしのきいた限りでは、いずれもレコードの演奏に及ばないものであり・・」このLPの解説を担当された方、土田三郎さんが書いている。「ジャズの魅力はライブでした味わえない」という事を否定し、そして、「・・ジャズ・レコードは複製であろうが、その重みは時として実演を上回ることもがある」ともいう。「・・稀有な時間をレコードに捉えることも十分可能なのである」と続ける。

客のまばらな店内。「ビレッジ・ヴァンガード」に来たというだけで曲を聴かず世間話に花を咲かせる客。ウエイターかウェイトレスか、客のグラスを片付ける音(?)。曲が終わる度におギリの拍手が「パラパラ」と送られる。一曲目、「マイ・フーリッシュ・ハート」が終わると「オッ、今日のバンドはちょっとイイかな」という感じもなくもないが・・。最終6曲目の「マイルストーン」。談笑する客の話題が盛り上がっているためか、「ざわめき」が大きくなる。一方、ビル・エバンスのピアノとスコット・ラファロのベースのメロディの掛け合いにも「(雑音に)負けじ」と力が入ってくる。演奏がフェイドアウトする中に浮かび上がる「嬌声(きょうせい)」。演奏者と聴衆との交感など感じない。思わず、無常を感じるのは僕だけでしょうか?。

まるで絵に描いたように、物語でも語るように、「無名のバンドが、音楽に無頓着な客の前で、一世一代、稀有な演奏をしている」見本のようなLP。客のまばらなライブハウスが名演に哀愁を与える・・。そこが最大の魅力かも・・。